画像診断

@超音波検査(エコー)

人の耳では聞き取れないほどの高振動の音波(超音波)を、障害物にあたると反射する特性を利用して、肝臓や脾臓などを視覚的にとらえるようにコンピューター処理して画像化したものである。脂肪肝、肝膿瘍、肝のう疱、肝癌、肝硬変、閉塞性黄疸、腹水、胆石症、膵疾患、腎疾患などの診断に有用である。

最近、レボビスト造影剤による造影超音波検査も行われ、肝腫瘍の診断、治療効果の判定に応用されている。

  

AXCT(コンピューター断層撮影)

360度方向からX線を照射して、臓器や組織によるX線の吸収の程度の違い をコンピューターで解析、増幅して、臓器の輪切り(横断面)の画像を得る検査法である。肝癌を含む肝臓の腫瘍、脂肪肝、肝硬変などの診断にきわめて有用であり、造影剤の静注前後の撮影によりその診断能は向上する。

  

BMRI-CT(磁気共鳴像)

MRIはX線を使用せず、からだに磁場をかけることにより、体内の水素原子の震えをてがかりにしてXCTと同じレベルの精密な画像を得ることが可能である。横断面だけではなく矢状面の画像が得られ、また造影剤を使わずに肝臓内の血流の状態を鮮明に把握できるなど、XCTにはない診断上のメリットがある

C肝生検および腫瘍生検

超音波装置で肝臓を観察しながら行う超音波下肝生検と腹腔鏡で肝臓の表面を観察しながら行う腹腔鏡下肝生検がある。腹腔鏡は肝臓の表面しか見えず、また手術室で行うのに対し、超音波下肝生検は肝臓の内部も観察でき、病室で行えることから最近一般の病院でも普及している。また超音波検査で肝臓にできた腫瘍を描出しながら、腫瘍を生検して良性か悪性かの病理学的診断も行っている。さらに肝癌であれば超音波下に肝癌に対してエタノール注入療法、マイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法が行われている。

 下図はインターフェロン治療により治癒した8年後の肝生検で青い線維が消失しているのがわかる。 

  

D血管撮影

肝動脈または門脈などにカテーテルを直接注入し、肝臓の内外の血管の走行状況を観察する。特に、肝癌の診断や治療(肝動脈塞栓療法)に繁用されている。
   


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